インプラント医としての我が使命

皆さんは、何故私がこんなに激しく訴えかけるのか、おかしな奴だなと感じる方も多い事でしょう。
私事を余り語るのは相応しくないかと思いますが、今日は恥を忍んで告白します。

今回はインプラント情報ではありません。
お気に召さない方は、お読みに成らないで下さい。

私は、29歳から30歳にかけて死にかけました。
幸い、一命を取り留め、今は一応人並みに生きています。
運が良かったとしか、言えません。

勤務医時代に、中国からの留学生と思われる方の虫歯の治療をした事がきっかけです。
若い女性の方でした。
お口の中はそれは気の毒な状況で、プラークは大量に付着し、歯肉は腫れ出血していました。
痛みのある虫歯も大きく、コリャ痛いだろうと、私が治療する事になりました。

始めから、物凄く怖がっていて、細心の注意を払い浸潤麻酔をしました。
幸い、それで痛みが治まり、では抜髄しよう(神経を取る治療)と虫歯を削り出しました。

そうしたら、恐怖心の余りだったのでしょう、削っている最中にいきなり、その方は私の指に噛み付きました。
既にバーを入れ回転させていて急には止められません。
しかも、女性は顔を強く振りました。

結果、バーが回転したまま、私の左手の人差し指にそのままグサリと削りながら、突き刺さりました。
一瞬の出来事で、痛みも感じる間もありませんでした。
バーはゴムの手袋を突き抜け、骨にも届くこうかと言うくらいめり込んでしまいました。

勿論、直ぐにフットペダルを止めたのですが、それすら間に合わなかったのです。
噛み付かれて、バーがめり込んで、私は両手を取られてしまい、口を明けるように女性に言い、開けさせました。
手袋の下の手には、噛み跡がくっきりと付いていました。

しかし、それどころではありません、バーが突き刺さっているんですから。
めり込んでいるのを見た時には、やられたー、と思いました。
不思議なのですが、その時にはそんなに痛くありませんでした。

水道の所に行き、手袋を脱ぎ、血を出して洗い流しました。
ザックリと切れてしまい、しかもバーの傷な為、綺麗な断面ではなく、ザクザクでした。
血はかなり流れ、そこで仕事を中断して、傷の手当てを一所懸命にしました。
流しているうちにズキズキとかなり痛み出しました。

私が怪我をしてしまったので、他のDRが変わり、噛んじゃ駄目だと諭して治療は行われました。
その後ろで、私は怪我の手当てをしていました。

傷口を合わせて、バンドエイドを巻いて、その上から、又新しいゴムの手袋をして、仕事を続けました。
当然血が滲み、痛む指を庇いながら仕事しました。
件の女性は、もう見ませんでした。

それから、ほぼ1ヵ月後、私は凄く重い風邪を引いたらしく、寝込んでしまいました。
それでも仕事には出来るだけ行き、何とか頑張っていました。
幸い土日が休みの週休2日だったので、土日を休めば、多分大丈夫だろうと横に成り休みを過ごしました。

しかし、残念ながら回復せず、辛くなるばかりで、だんだん具合が悪く成って行きました。
重い風邪に2週間余り耐えながら、仕事をし、土日は寝て過ごすと言う生活でした。

そして、余りにも変だと言う事で、月曜の朝、電話して仕事の休みを頂き、義理の弟が内科医なのでそこの勤務先に行く事にしました。
予め電話をして、話をして、症状を聞かれました。

右の腹部が張って辛い、と私は言ったようです。
義弟は直ぐに対応して貰えるように、手配をして置いてくれました。
病院に行くと少し待たされましたが、直ぐに見て貰えました。

採血され、診察され、待合室で待たされました。
義弟も姿を見せました。
”ノリ君、緊急入院だよ”そう宣告されました。

有無を言わさず、病室の空いているベットに寝かされ、即点滴が始まりました。
私は苦しくて苦しくて、体の置き場すらもない辛さを味わっていました。
”GOTが3980、GPTが1700、B型の劇症肝炎だ。良くここまで来れたね、肝性昏睡の症状出ているよ。”
心配した義弟がベッドに付いてくれて、現状を教えてくれました。

その日から、私は足掛け3ヶ月ほぼベットの上で寝たきりの生活に成りました。
と言うよりも、本当に動けなくなってしまったのです。
体を横にしていても苦しくて辛い、置き場のない辛さが体に取り付いていました。
鉛のように重いとはこう言う感じなんだろうな、と後から思いました。

そして、私は生還しました。
九死に一生を得て、生還したのです。
義弟言うには、交通事故とかで肝臓破裂してしまっている状況と同じか、それ以上だったそうです。
正直な話、何故助かったんだろうと、生還した後に話されました。
97〜98%死んでても、おかしくなかったそうです。

この事件は話せばまだまだ色々あるのですが、私事なのでこれくらいの顛末にして置きます。

何れにしても、まだ死んではいけない、使命を果たしていない、と天に生かされたのだ、と私は確信するに到ったのです。
病気のせいで、私の肝臓は正常細胞が普通の人の4分の1位しかないそうです。
劇症肝炎から生還したお陰で、私はB型の免疫は終生得る事が出来ました。
なので、私自身は他人にうつす可能性のあるキャリアではありません。

丁度あの当時、医療事故で医療人が私と同じB型劇症肝炎で亡くなる事が続き、新聞沙汰になっていました。
私の菌はかなり強く、予防ワクチンの効力をも上回っていたようです。
それでも、運が強かったのでしょう、生還出来ました。

生かされた命である、と信じきっています。
だからこそ、道を極めて、切り開き、正しいものを提供して行こうと決めています。
命ある限り、信じる道を行きます。
もし間違えているなら、私を救い生かした天が、今度はお迎えに来るでしょう。

今の所、何不自由なく健康で過ごしています。
外見上は分からないと思いますが、実は持久力に欠けるのには、以上のような事情があるのです。

使命を思い残すことなく果たしたい、その為にこそ我が道はあるのです。
人に比べて体力に欠ける体を、何とか長く仕事の為に使いたい。
その思いがあるからこそ、強く発言してしまうのです。

分かってくれとは言いませんが、事実として起きた事なのです。

最後に、インプラント情報と関係なく、申し訳なく思います。
又明日以降、最先端の未来を照らすインプラント情報を、提供して行こうと存じます。
失礼しました。