インプラント医に必要な身体感覚

私はいつも言っているのだが、インプラント治療には義歯治療の知識が凄く生きて来る。
歯を失ってしまった顎の骨がどう変わって行くかを、義歯を得意とするDRは肌身で知っている。
これが最近GBRしても無駄であると言う結果の中で、非常に重い意味を持ち出して来ている事は言うまでもなかろう。
一昨年位まではGBRして補綴的に審美的に治すと言う事が、補綴主導型として正当性を主張されて来た。
が、3DCTの普及がGBRが幻想である事を如実に見せ始めてから、流れが変わってしまった。
今では、結局、非吸収性のものを移植材として使用するしかない事が主張されている。
もしくは無理をせず、残存する骨を見越して植立する方法が、再び復活して来たのである。
そうなった時に、患者さんに楽なのは何もしないで残っている所に植立する事であろう。
こんな事は自明の理と言えるであろう。
そうなると、ますます義歯感覚、残っている骨と歯肉を利用する治療方法が行こうになってくると言う訳だ。
特に必要なのは、臨床的な解剖学であろう。
そのコツは触診にあると言って良い。
患者さんは、丁寧に触診してくれるDRを選ぶべきと助言しよう。
インプラント治療には、義歯治療の勉強が非常に重要なのである。
これは忘れないで欲しい。
理由は簡単である。
欠損している歯列を治す概念は、義歯もインプラントの同じだからである。
マテリアルの違いだけで、欠損治療は同じであると言う事だ。
最近の若いDRの中には義歯の勉強をしなくて良いと放言する輩もいるが、とんでもない事だ。
それはその本人が出来ないから、インプラントをしているのであり、もし出来るようになってしまったら、義歯必要と言い出すであろう。
最近富に言われ出しているが、骨が相当になくなっている場合は、インプラントと義歯のコンビネーションの治療、即ち義歯を支えるインプラントと言うものも出て来ている。
その方が、患者さんの苦痛が少ないからである。
何でもかんでも固定式では難しい場合が出るのだ。
患者さん主体で考えてどうするか、引き出しは多い方が良い。
インプラントのみに固執する事無く、患者さんを救う手立てとして色々出来るDRの方が安心であろう事は言うまでもない。
インプラントを志すDRよ!
悪い事は言わない、義歯を学べ!