インプラント治療が、今何故危ないのか?

インプラント治療が市民権を得て、一般的な治療として広がりつつあります。
従来は特殊な治療法として、専門的に自分自身で学んで来たDR達がして来て、少しずつ広まって来たのが、良いものだという評価を勝ち得だし、広まっているのです。
又、DR側に理由として、従来の入れ歯の治療では治せない患者さん対して適用する事、保険診療だけでは食っていけない為に、自由診療の花形的なものとして取り上げられる事が多い等の理由があるのでしょう。

但し、これは非常に危険な傾向です。
やはりインプラント治療は、外科治療を伴う為に、危険が伴うからです。
どんなに簡単に見える患者さんでも、何があるかは分かりません。
良くメールとかで相談を受けますが、実際にご本人を診ていないと、分からないのです。

残念ながら、まだ患者さん達はインプラントと言うだけで最先端治療だと信じ込み、何処も同じような治療をしているのであろうと信じています。
これは非常に危険極まりない考え方です。
こう言う考え方をしているから、治療を受けてしまってからの相談が大変に多いのでしょう。
やはり外科治療なのですから、予めよく調べるべきです。

そのDRの経験、臨床成績、何処までの治療をこなして来ているのか。
因みに、私はもう20年近くインプラント治療をして来ています。
国内での情報収集に飽き足らず、21世紀に成ってからは海外の学会参加を欠かせないように成ってしまいました。

今国内では2日間の講習に出るだけで、いきなりインプラントをする事も可能なのです。
最近はそこまで無謀なDRは減って来ているようでしょうが、メーカー側はインプラントが売れれば良いので売り込みは益々激しくなっています。

更に最近傾向として、インプラント治療を望む患者さんの口腔内の状況が厳しくなってきたと言うのが、我々の一致した見解です。
2日間の講習で習うような、簡単な患者さんはまずいません。
殆どの方が、骨の量や歯肉、歯周病,虫歯等複雑な問題を抱えています。

なのに、患者さんは安易に考え、DRにまでそれが移ってしまっています。
その為、最近事故の話を良く聞きます。
非常に危険な水域に来ていると言わざるを得ません。

もしインプラント治療を考えているのなら、よくよく予習して、何処で治療を受けるか吟味して選ぶべきと信じます。
転ばぬ先の杖なのです。