今、即時荷重インプラント治療は下火?

AOに行って気に成ったのが、日本人DR達が受け取っているイメージで、即時荷重インプラント治療が下火になって、早期荷重の方に戻っていると評価です。
これは、非常に大きな問題をより呼びそうなので、私自身の責任で、修正を試みて置きます。
まず、即時荷重が危ないから早期荷重が進められているという受け取り方が、一番危険でしょう。
何故なら、日本国内では世界で標準として使用されているインプラントが、まだ認可が下りず使用出来ないと言う視点がごっそりと抜け落ちています。
海外の臨床で用いられ出しているインプラントは、現在日本国内で出回っているインプラントの次のものが使われています。
言い換えるなら、国内では世界で売れ残ったものが、日本と言う巨大なマーケットで売り捌かれていると言う、事実が隠されています。
これは言うまでもなく厚生労働省の責任ですが、世界に取っては有り難い事でしょう。
世界で売れなくなっても、日本国内で認可されているものは古いものしかないのですから。
一般的に日本は製品にもよりますが、世界に比べると2年位遅れてしまいます。
開発の波は凄いもので、2年と言えば下手すれば2昔になってしまいます。
世界で早期が安全であるとされているのは、新製品で出せているに過ぎないのです。
2003年当時、海外の学会で即時荷重を出せるDRと言えば、恩師DRラム始めストローマンユーザーばかりでした。
それは何と言ってもSLA表面の成果が大きかった筈です。
そして、DRラムもそうですが、即時荷重は普通の治療となり、トピック足りえなくなっているのが現状なだけです。
その証拠に、今新製品を出した他社インプラントSLAに負けないとして、即時荷重出来ると発表させています。
比較対照、評価の基準と成っている事事態で、SLAが如何に高く評価されているかが分からなければいけません。
そして、時代はノーベルダイレクト始めノーベルの即時負荷攻勢の反動で、即時荷重が旗色が悪く見えているに過ぎないのです。
それだけ、世界でのノーベルの即時負荷の売り込みは凄まじく、にも関わらず、成績が伴わなかった事が、即時荷重を後退させているように見えるのです。
そして、当のストローマンですが、元来このメーカーはDRブーザーが即時荷重嫌いであり、戦略的にGBR早期荷重を勧めているのです。
馬鹿な話です。
即時荷重に最も強いインプラントなのにそれを売りにせず、審美や今更のプラットフォームスイッチングですから。
そう言う色々の事情が重なって、即時荷重インプラント治療は今静かな状態なのです。
しかし、世の中は即時を求める時代に成って来ている事は間違いありませんし、又それが、今更のトピック足りえない状況と成って来ている事は事実です。
テレビが登場した当時は大騒ぎだったでしょうが、今ではテレビ自体で騒ぎません。
月面宙返りが出た当時は凄い業でしたが、今では体操をやる選手は基本としています。
それと同じ事です。
ですから、凄い時代に成って来ていると言うだけです。
即時荷重だけでは、もう売りとはならない時代なのです。
今はそれをどう達成するか、如何に侵襲を少なくして成功させるかなのです。
それを勘違いしてはいけないと思います。
早期が安全などと言う戯言は、旧製品しか使えない日本では逆に危険です。
世界の新製品なら、早期でも安全と言う売り方なのを見抜かなければいけません。
早期荷重は、何度も指摘していますが、最も危険です。
骨とインプラントが漸くくっ付き始めている時に捻るのですから、かなりの確立で剥がれるでしょう。
インプラントには基本的は2通りしかありません。
即時荷重か待時荷重か、です。
即時荷重は危険に見えても、植立時のみに力が掛かるだけの方式であれば、後は揺り動かさないように気を付ければ大丈夫です。
待時荷重は言うまでもない事でしょう。
ブローネマルクの発見で、時間を掛けると必ず骨とチタンはくっ付きます。
早期荷重は一番危ないです。
くっ付き始めの幼弱な時期に、わざわざ捻るなどもっての外です。
一番有利なSLActiveですら4週間が限度なんです。
そこまで待ったら後2週間待ってあげれば良いのですから、早期荷重には殆ど意味がないと、私は責任を持って言い切ります。
ですから、私のお勧めは、即時荷重の基準に満たなかったら、もうそれは待時荷重にすべきでしょう。
中途半端(早期荷重)が一番危険なのは、人生もインプラントも変わりません。
時代の流れを正確に見るには、学会に毎年のように出るしかないのかも知れません。
生半可な参加では、流れが読めないのは仕方がないでしょう。
行くなら行く、行かないなら行かない、ですか。
情報と言うものの難しさを感じさせられる、学会でもありました。

参照:http://www.km-implantcenter-matsumotoshika.com/