インプラント治療に3DCT、しかし実情は・・・

最近は3DCTがルーチン化しているようで、某コミュで、私自身がそんなの当たり前だろうと叱られる始末。
イヤー変われば変わるものですね、世の中は。
導入したばっかりの2006年の7月が嘘のよう。
この急激な変化は、凄い勢いです。
たった1年と8ヶ月でここまで変わってしまうなんて、素晴らしい事だと思います。
私自身もこの期間でほぼ700本以上インプラントを植立させて頂いて、前にやっていた経過観察の方々も含めて、軽く2000本以上のインプラントのデータが入っています。
かなりの事が色々と分かるようになり、結局3DCTがあっても怖いものは怖いな、と言う感想です。
今患者さんもDRも3DCTがあれば解決!みたいな感覚ですが、それは違うな、と感じます。
やはり重要な事は、解剖学的な知識を持っている事、そして外科的な手技に通じ、練達である事なんだと言う感覚が増して来ました。
要するに、見える事は見えるけれども、それ通りに出来るかどうかは、又別問題だし、何よりも3DCTを生かした手術術式が全く未完成そのものだからです。
簡単に言えば、従来通りのGBRとかサイナスリフトとかの手術をするのに、3DCTは不要かもしれないと言う事です。
GBRやサイナスリフトは粘膜を大きく開けて、術野そのものを直視します。
と成れば、多少の時間のロスはあるでしょうが、腕のあるDRならその差は多分10分程度でしょう。
解剖的条件自体を変えてしまうようなGBRとかサイナスリフトでは、単に骨とか歯肉造成すればそれで良い訳で、全て開けて見てしまえば、それで終れるからです。
多分、言っている事の意味が、殆どの方には分からないでしょう。
逆の言い方すれば、3DCTの意義は出来る限りそんなGBRとかサイナスリフト避ける為に、どう言う手術すれば良いか?の為にこそ使うべきである、と言う事なのです。
纏めると、手術侵襲を極限まで減らす為にこそ用いないと、3DCTは持ち味が出ないのです。
これこそが新しい手術術式の確立と言えるでしょう。
現状では、従来の方法しか用いられていません。
そう言う意味では、いまだ3DCTの時代は来ていない、と言えるでしょう。